情報/CLIP STUDIO PAINTのベクターレイヤーの基本(線修正ツール)

【講座/イラスト01_キャラクター1/2 ラフ画→線画編】で少し触れましたベクターレイヤーに関して、基本的な事柄に留まりますが書こうと思います。
コンピュータで扱う画像データには大きく分けてラスター形式とベクター形式の2つがあり、その後者の特性を活かした機能になります。
両者の違いについての説明は【情報/画像データにおけるラスターとベクターの違い】をご参照ください。

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LIP STUDIO PAINTのレイヤーでブラシや図形で任意の形状を描画できるものには、ラスターレイヤーとベクターレイヤーがあります。それ以外に色調補正レイヤー、べた塗りレイヤー、グラデーションレイヤー等それぞれの用途に特化したレイヤーもあります。

その名の通り、ラスターレイヤー上に描かれたものはラスター形式として、ベクターレイヤーはベクター形式で保存されます。
ただしそれはCLIP STUDIO PAINT独自のデータフォーマットであるlip形式での場合のみで、Photoshopのpsd形式等他の保存ではラスタライズ(ラスター形式に変換)されベクターの情報は失われます(psdのパスに変換されるような仕様はありません)
※lip形式でないと失われるCLIP STUDIO PAINT独自の機能の情報は他にも色々ありますが、ここでは省略します。
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▲ラスターレイヤーとベクターレイヤー、それぞれのアイコン。

クターレイヤーに描画された像は、制御点(点)とベクター線(線)に座標、方向、強さ、ブラシも形状等の情報を持っており、その点と線を編集することにより修正が可能です。
例えば線画を修正する時、ラスターの場合は現実の絵画と同様に線を消しゴムや上塗りで消してから描き直しますが、ベクターでは線そのものを操作できます。
また大きな曲線を描く場合など、制御点とベクター線を操作する特性上、基本的に迷い線は発生しないので素早く完成できます。
他にベクター消しゴム等、これならではの便利なツールの使い方も可能です(別の機会に書こうと思います)

※ペイントツールSAIをお使いの方には、ペン入れレイヤーと似たようなものと捉えていただければ良いかもしれません。
 それに比べるとCLIP STUDIO PAINTの方が図形にある程度強い等、違いもあります。
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▲制御点とベクター線で形状を制御(左:ブラシストローク、右:図形)
 Photoshopの用語に置き換えると、制御点=アンカーポイント、ベクター線=セグメントといったところでしょうか(役割が微妙に違うのでイコールではありません)

こで制御点とベクター線の修正方法の基本として、線修正ツールのサブツールについて触れます。
サブツールそれぞれにはツールプロパティによって詳細設定が可能ですが、そのあたりはまた別立てで記事にしようかと思います。

線修正ツールのサブツール(並び順は自分の使いやすいように変えています)
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▲各サブツール。[]で囲まれている文字や記号はショートカットキーのメモ。

A.cs_icon00(p)a制御点(制御点の移動、追加、削除等々)
 制御点一つずつについて編集できます。
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▲制御点ごとに操作可能。制御点が多いと編集が大変。

B.cs_icon00(p)bベクター線描き直し(既存の線の軌跡を修正) 
 直感的に線の軌跡を描き直し出来ますが、ツールプロパティが無設定だと制御点がとても増えてしまいます。
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▲ベクター線を紐をいじるように操作可能。

C.cs_icon00(p)cベクター線つなぎ(離れたベクター線を連結)
 ブラシ状のカーソルでなぞった範囲(ブラシサイズ設定可能)内にある離れたベクター線同士を連結。
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▲単純に線端の制御点同士をつなげると言うわけでなく、適宜制御点が追加されるようです。

D.cs_icon00(p)d線幅修正(軌跡を変えずに線の幅を修正)
 ブラシ状のカーソルでなぞった範囲(ブラシサイズ設定可能)内にあるベクター線の太さを、指定幅(絶対値)、指定倍(相対値)、一定の太さで増減が可能。
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▲修正した制御点と修正のなかった制御点の間は自然に均されます。

E.cs_icon00(p)eベクター線幅描き直し(軌跡を変えずに線幅の描き直し)
 D.と似ていますが、こちらは線をなぞって筆圧による幅の描き直しができます。
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▲線幅修正と違い、感覚的な修正が可能。要使い分け。

F.cs_icon00(p)fベクター線単純化(制御点を減らします)
 ブラシ状のカーソルでなぞった範囲(ブラシサイズ設定可能)内にある制御点を減らします。
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▲自ずとそれなりにベクター線の形状が変化しますが、大きなカーブなどはこれを行ってから操作したほうが手間がかからないかと思います。

G.cs_icon00(p)gベクター線つまみ(文字通り線をつまみます)
 ブラシ状のカーソルでなぞった範囲をつまめますが、前述違って「ブラシサイズ」ではなく「効果範囲」としてサイズをコントロールします。
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▲「ブラシサイズ」ならサイズ変更のショートカットキー(他のブラシ系ツールと共通)は効きますが、ここでは使えません。

H.cs_icon00(p)h枠線カット(漫画を描くときのコマの枠線の編集に使います)
 漫画作成支援機能につき、ここでは省略します。

のようにベクターを利用することによって、ラスターに比べ時間の短縮(時短)になる場面は多いですが、それによって画力やセンスが上がるわけではないので、時短になった分を自己向上に当てるような不断の努力は必要かと思います。
それでもなお誰でも出来るようになるわけではないのが、この業種に限らずですが厳しいところですね。

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画材/グラフィックソフトPainterについて

私が初めて個人で購入したグラフィックソフトは、Fractal Design(フラクタルデザイン)(当時)のPainter4(日本語版、Windows版)で、Windows95発売翌年の1996年の事だったと思います。
そもそもそれまでは職場ではパソコンで開発環境専用ドット絵ツールやPhotoshopを扱うことはあっても、個人では持っておらず、Painterとパソコンは同時購入しました(他にペンタブレット等周辺機器もいくつか)
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▲当時のPainterの特徴だったペンキ缶パッケージ(バージョン6まで。バージョンXで限定復刻)

その時の私的な購入の決め手は、undoが複数回できるのとキャンバスを回転させながら描けることでした。
undoに関しては同時期のPhotoshop4.0は確か1回のみで、回転は出来ませんでした(イメージ操作での回転は勿論可能)
近年になって(PhotoshopCS4から?)回転ができるようになりましたが、OpenGLをサポートしてるグラフィックプロセッサー(グラフィックボード)が必要です。
【詳細/イラスト02_フィールドマップイメージ】で触れている擦筆ブラシでの描き方は、購入後知った方法です。
あと、「乾燥」させるまでウェット状態を保つ水彩キャンバスも良かったですね。

アップグレードは、バージョン5(5.5も?)→6→(理由は忘れましたが7はスキップして)→8と行いました。
メーカーはMetaCreations(メタクリエーションズ)→Corel(コーレル)と変遷。
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▲歴代ユーザーガイド等。アップグレード版は化粧ッケのない紙の箱でした。

その後は、自分の描き方ならその頃登場したペイントツールSAIが良かったので(フリーウェア→安価であることもあり)移行し、さらにそれほど変わらない描き味で修正や更新も頻繁に行われているCLIP STUDIO PAINTへと移り、現在に至っています。

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▲おまけ。【画材/コピックとメーカーについて】の画材カタログ(1993年頃)内のグラフィックソフトのページ。
 Painter初代?、Photoshop2.5J、Illustrator5.0、その他諸々。

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画材/コピックとメーカーについて

コピックは1987年に株式会社Too(当時は株式会社いづみや)より発売されたマーカーです。
株式会社Tooサイトより引用

そして、コピー機がデザインで使われるようになった時代の求めに応じて登場してきたのが“トナーを溶かさないマーカー”「コピック」。コピー機で出力したものに着色する、というコンセプトで登場した製品でした。
その後、色数やバリエーションも増え、グッドデザイン賞も受賞、現在世界48ヵ国以上の方々に愛用されているロングライフデザイン製品に成長しています。

 
1993年にコピックスケッチが発売になり、これにはスーパーブラシニブ(筆ペンのような弾力のあるブラシ)が採用され、塗りムラも出づらくなったのでその頃から使うようになりました。
これより前に使っていたマーカーはマービーマーカーで、それに比べると高価でなかなか手が出せませんでしたが、それだけのことはある逸品でした。
マービーマーカー 単品 90円
コピックスケッチ 単品 380円
(共に当時の価格。税抜き)
 →ふと現在の価格を調べてみたんですが、なんと両者とも変わってないようですね。

マービーマーカー以外にも、ポスターカラー、リキテックス、透明水彩絵の具等を使っていましたが、こちらもコピックやデジタルに変わっていきました。
私の場合、ゲーム業界ではパッケージ等印刷物用を除き基本的には最終的な商品までデジタル絵ということもあり、徐々にそちへ移行しましたが、今日でも当マーカーを使っている方は多いと思います。

株式会社Tooは主に画材の卸売をしている会社で、前述のとおり元々は株式会社いづみやという社名でした(1992年に変更)
実は私はゲーム業界に入る前は広告デザイン業界におりまして、備品の管理(新人の仕事)をしていた関係でよくいづみやさんにFAX等で注文をしたり、倉庫みたいな所へ商品を取りに行ったり(基本は配達していただけますが急ぎの場合)していました。

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▲コピックスケッチが発売されたばかりの頃の画材カタログ(消費税3%)

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▲そのカタログのコピックのページ

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画材/擦筆(さっぴつ)について

擦筆というのは、木炭やパステル画等で粉の均しやのばしを指で行うと脂分がつくので、その代わりの紙製ペンのことです。
商品名としては『サッピツ』とカタカナ表記されることもありますね。
綿棒、ティッシュペーパー等でも代用できます。

Painterには擦筆ブラシがあり、アナログと同じような感覚で使えました。
(元々Painterはアナログ画材のシミュレーターのような位置づけだったように思います)
Photoshopで同じ用途だと指先ツール(CS5からは混合ブラシも)あたりが近いですが、今ひとつふたつ使用感が違うので、Painter、後にペイントツールSAI→CLIP STUDIO PAINTで同じような感覚のブラシが作れたので、それからはそちらを使っています。
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▲擦筆(実物はもう無いので手持ちの画材カタログより)

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画材/紙と鉛筆について

今現在はラフや線画の段階からデジタルで描いていますが、以前は線画は後述の鉛筆、着色はコピックスケッチといった感じでアナログでした。
このサイトにも幾つかその頃の絵が載っています(例えば【詳細/設定画04_建物外観】
ある時期から着色はデジタルに、しばらくしてから線画も移行しました。

アナログで線画を描いていた頃は、
紙はコピーしたときに格子が写らないグリッド紙、鉛筆はSTAEDTLER製の芯ホルダー(濃さは2B)を使っていました。
ペン先が丸くなってきたら芯研器(鉛筆削りのようなもの)で尖らせていました。
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▲芯ホルダーと芯ケースと芯研器

あと消しゴムは、細かいところには電動消しゴムを使っていました。
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▲電動消しゴム

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